2010年04月27日

加害企業と遺族との関係 JR福知山線脱線事故(産経新聞)

【JR福知山線脱線事故】加害企業は変わるか(上)

 3月25日朝、兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故現場に設けられた献花台にJR西日本前社長、山崎正夫(66)がいた。

 この日は、事故から4年11カ月。遺族にとって事故で亡くした肉親の月命日だ。山崎は副社長とともに献花台に並び、花を供える人たちを出迎える「立哨(りっしょう)」役を務めていた。この日は雨が降り続いていた。傘をさして献花台を訪れる遺族らに、山崎は深々と頭を下げていた。

 脱線事故後のJR西が歩んだ道は、被害者対応の連続だった。遺族や負傷者に社員を担当者として配置し、役員らも被害者宅を回り、謝罪を続けた。事故の起きた4月25日には毎年、追悼慰霊式を開催。取り組みを報告する説明会も何度も開いてきた。

 この歩みは昭和60年8月に起きた日航機墜落事故の日本航空の被害者対策と似ている。日航も遺族に社員を担当させ、説明会を何度も開いた。発生から半世紀が経過しても、社員らは現場の群馬県・御巣鷹山へ慰霊登山を続け、犠牲者520人の霊に祈りをささげる。

 JR西が脱線事故を社員教育に活用するために開設する「鉄道安全考動館」。日航も事故機の残骸(ざんがい)などを展示する「安全啓発センター」を開設した。

 大事故を引き起こした加害企業は、同じ道を歩むのだろうか。

 社長を辞し、嘱託となった今も被害者を訪ねる山崎は、今後について「一生やり続ける」と話した。

   × × ×

 次男の昌毅=当時(18)=を失った神戸市北区の福祉施設職員、上田弘志(55)の自宅に今も2人の担当者が毎月訪れる。担当者は祭壇の遺影に手を合わせ、上田と数時間話し込むことが多い。

 上田は最初、担当社員を何度も怒鳴った。上田の要望が、本社中枢に伝わっておらず、的確な返事が返ってこなかったためだ。社員はその都度、頭を下げ続けた。今は上田も腹を立てることが少なくなった。「新しく変わった担当者ががんばってくれる。こちらの要望も、なんとかしようと努力してくれる」という。

 上田にとってJR西は息子の命を奪った加害企業だが、担当者との関係を「担当者とは友達とまではいかないが、笑って話せる関係に自然になれたらいいと思う」と話した。

   × × ×

 被害者側は、これまでJR西自らによる事故の検証を求め続けてきた。JR西は、旧・国土交通省航空・鉄道事故調査委員会の事故報告書作製や、警察や検察による捜査を理由に拒んできた。このことが両者を隔ててきたが、最終報告書提出と業務上過失致死傷罪の公訴時効(5年)を前に山崎が起訴され、状況は変化している。

 昨年12月25日、脱線事故の遺族とJR西が合同で事故原因を究明する「課題検討会」の初会合が開かれた。事故の背景ともされる懲罰的な日勤教育や過密なダイヤ編成などを加害企業と被害者が合同で分析する場だ。まだどんな成果に結びつくかは不透明だが、それでも加害企業と被害者が手を携える可能性が見えてきた。これは日航ジャンボ機墜落事故でもなしえなかったことだ。

 遺族にとってJR西が最優先で安全に取り組む企業になることは亡くなった肉親の「遺言」だ。次男を事故で亡くした上田は「事故の刑事裁判が終わり、JRが安全になっても、担当者には『もう来なくていい』とは言わないだろう。僕は死ぬまで、JRの安全への取り組みを見続けたいから」という。

 乗客106人の命が失われた事実はJR西にとって重い「十字架」でもある。遺族や被害者の提言は十字架をともに背負う力になる可能性を秘めている。

     =敬称・呼称略

     ◇

 脱線事故を機会に「安全軽視」「上にものがいえない社風」など多くの批判をあびたJR西。事故から5年を迎えるのを前に、加害企業・JR西が、どう変わろうとしているのか。2回にわたって考えてみた。

 (JR脱線事故取材班)

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2010年04月24日

2010年04月23日

<記者過労死>原告の請求棄却 東京地裁(毎日新聞)

 時事通信社の政治部記者だった森田一樹さん(当時36歳)が糖尿病の急激な悪化で死亡したのは過労のためとして、父一久さん(79)=岡山市=が国に労災認定を求めた訴訟の判決で、東京地裁(渡辺弘裁判長)は15日、「発症に業務起因性はない」として請求を棄却した。

 渡辺裁判長は、死亡前6カ月の時間外労働が月平均約134時間だったことなどから「精神的・身体的に著しく負荷の大きい仕事だった」と指摘した。一方で「糖尿病の急激な悪化とストレスの関係に、確立した医学的知見があるとは言えない」とし、因果関係を否定した。

 森田さんは84年入社。政治部首相官邸記者クラブ担当だった97年6月、腹痛や吐き気などを訴えて入院し、2日後に亡くなった。一久さんは99年に労災認定を申請したが却下された。

 判決後に会見した一久さんは「無念、残念でたまらない」と話した。【和田武士】

 ▽時事通信社社長室の話 国の処分を巡る判断でコメントは差し控える。社員の健康管理に十分気を配るよう努める。

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